SNS界隈で、知る人ぞ知るモバイルSIMといえば「Nomad SIM」。
縛りがなく、大容量プラン100GB/300GBもの通信が業界最安値ではないかというような価格で使えてしまうと話題です。ガジェットブロガー・ワロリンスさん(@warorince)といえば、ブロガーなら一度は耳にするほどの有名人です。
通信業界に造詣が深いブロガーがオリジナルブランドのSIMを発売、明朗・明快な料金プラン、カンタン手続きで人気を博しています。一時は人気すぎて受付をストップ、最近になり受付を再開している状況です。
今回のプリペイドSIMは、先行する大容量プランに続き新しく登場したサービスです。もともとシンプルであったプランを短期利用者向けにさらに無駄をそぎ落としてきた印象です。
個人的には大容量プランに興味があったので、そのお試し版として使ってみることにしました。
Nomad SIMとは?
2019年7月1日にリリースされた通信サービスです。ソフトバンクの4G SIMを「ノマドワークス」という会社がブランディングして再販売しているようです。
先行して発売されていたのは100GB, 300GB/月の通信が割安なプラン。ソフトバンクの「Hybrid 4G LTE」を使っているのでダウンロード最大速度187.5Mbps、 アップロード最大速度37.5Mbpsまで対応しています。
一方、今回発売されるのは、使い切りのプリペイドタイプ。
- 使い切りのプリペイドSIMカード
- 契約不要・解約不要・設定不要
- 最大90日間使える
- テザリングができる
- 最短当日配送
最近は総務省の規制緩和で徐々に縛りもゆるくなっている傾向があります。この機会に何社かしばりの緩いMNVOのサイトを覗きましたが、「解約方法」ってすぐに情報が探せない(イライラ
その点、今回のNomad SIM(プリペイドタイプ)は申込だけ、SIMは使い切ったら捨てるだけなので解約手続きでの精神消耗がない。
Nomad SIMの料金プラン
まずは従来型の大容量プラン。初期費用あり、月額料金は100GB/300GBそれぞれで異なります。継続利用が見込まれているプランなので、解約には別途申請が必要です。公式サイトから解約申請はすぐ見つかるようになっていました。
項目 | 100GB | 300GB |
---|---|---|
初期費用 | 3,000円(税別) | |
月額費用 | 3,600円(税別) | 4,200円(税別) |
通信回線 | ソフトバンク4G LTE | |
期間 | 解約申請あるまで継続 | |
デバイス | SIMフリーデバイス | |
テザリング | 可能 |
こちらは今回登場したプリペイドSIMプラン。支払いは最初の1回だけ、通信容量を使い切るか・90日過ぎると使えなくなります。
項目 | 3GB | 10GB |
---|---|---|
初期費用 | 2,600円(税別) | 3,400円(税別) |
月額費用 | なし(使い切ったらおしまい) | |
通信回線 | ソフトバンク4G LTE | |
期間 | 90日間 | |
デバイス | SIMフリーデバイス | |
テザリング | 可能 |
このプリペイドSIMの最大の特徴は完全使い切り、書面的な手続きが極限まで簡略化されていることだと思います。わずらわしさが一切ない。
キャンペーンでいち早く入手
2019年12月クリスマスにプリペイドタイプのSIMが登場しました。ツイッターでワロリンスさんからキャンペーンのお知らせが出ていたので乗っかりました。フォローと対象ツイートのRTが応募条件だったのでサクッと完了。
そしたら、見事当選(ヤッター
Nomad SIMプリペイドタイプを使ってみた(レビュー)
せっかく手に入れたのでいち早く口コミ投稿します。
送付されたパッケージ内容物(開封)
DMで発送情報のやりとりを行い、翌日にはゆうパケットにて届いていました。
▲ 封筒にSIMが入っているだけのシンプルな梱包です。APN設定やアクティベーションの方法が記載された説明書が日本語と英語で入っていました。
APN設定
今はSIMフリーのiPhone11をメインに使っています。SIMは指せばつかうことが出来ました。アンドロイドは手元にXperia10があります。SIMは自動認識はせず、APN設定が必要でした。
名前 | なんでもよい |
---|---|
APN | plus.4g |
ユーザー名 | plus |
パスワード | 4g |
認証タイプ | PAP/CHAP |
通信方式 | IPv4(推奨) |
▲ (iPhone11購入以降ほぼ放置)Xperia10よ、蘇れ!(笑
ちなみにレビューも書いています。
通信速度(ワイモバイルと比較)
私自身は現在、ワイモバイルを使っています。同じソフトバンク4Gネットワークを使っているので品質に差異がないか見てみました。
▲ 速度はロケーションや時間帯で変わります。何度か測りましたが、ワイモバイルの方が若干早かったです(ワイモバイルの方が端末スペックが良いかもしれないけど)。
▲ それと計測時にIPアドレスが表示されるのですが、ワイモバイルはIPアドレスが1つ表示され、Nomad SIM側は内部IPアドレスと外部IPアドレスの2つが表示されていました。これは、内部→外部へのIPアドレス切替(NAT)されていることを意味します。
NATされているということはそこで処理が1つ走るわけで、NAT変換がないものよりは処理スピードが落ちると思います。(あ、昔はインフラ系のエンジニアもやっとりました)
まぁ、色々書いてますが本家バンクのものと大差ないかなという印象。
テザリングもOK
テザリングも全く問題なくできました。
プリペイドSIMでできないこと
要注意ですが、プリペイドSIMには電話番号がありません。
したがって、音声通話、SMSの送受信ができない。この辺りはコミュニケーションアプリ(LINE, 各種メッセンジャーアプリ)で代用する必要があります。
それと、3GB/10GBの通信容量がなくなったらトップアップ(リチャージ)することもできない。通信容量を使い切ったら、SIMとサヨナラします。私は海外旅行に行くたびにSIMを入手していますが、それと同じ感覚ですね。
どちらを選ぶ?(大容量プランvsプリペイドプラン)
単純に一時利用か、そうでないかで選べばよいと思います。値段に大きな差はないので長く使うなら大容量プラン、短期利用ならプリペイドプランでしょう。
どちらのSIMも事務手続きは簡略化されていますが、大容量プランには解約申請が必要です。一方でプリペイドタイプであれば解約申請は不要で、いらなくなったらSIMを破棄すればおしまい。
メリット・デメリット
- 大容量プランを検討中でSIMの品質を確かめたい人
- 海外滞在中で一時帰国している人
- 友達の外国人にSIMを差し上げたい人
- 今だけ別のSIMが欲しい人
まとめ(おまけ)
「Nomad SIM」の人もおっしゃっていますが、プリペイドタイプのターゲットとして一時帰国の日本人、日本に旅行する外国人も対象とされています。
2020年はオリンピックイヤーということで、旅ナカ界隈でかつてないほどのインバウンド需要が見込まれます。この波に乗れれば、「Nomad SIM」も一気に飛躍しそうです。
現状は音声機能がないけど、トラベラーSIM的な役割を狙っているのであれば、外国人や一時帰国者にとって音声・SMSも限定的でもよいので使えるといいかも。
私は海外に行くとき、Klookアプリ、KKdayアプリからSIMを手配することがあります。これらのアプリは旅行中で発生しうるありとあらゆるアクティビティを手配するのに役立つ「神アプリ」、東南アジアでは抜群の知名度を誇り、彼らもこのアプリを使っています。
トラベラー界隈、日本でも徐々に広がりを見せています。現地SIM手配、送迎、観光、各種アクティビティの手配などなんでもあり。