旅のガジェットとして購入した「Osmo Moible 2」をご紹介します。昨年からスマホ用のジンバルを探していました。前の機種も気になっていたところ、2018年の春先に新しい機種が発売したので購入しました。少し使った後ですがレビューします。
スマートフォンで動画を撮っても手ブレが多いイマイチ動画ばかり。見れば見るほど動画に酔っちゃうん…
そんな手ブレを大きく軽減して、スマートフォンで撮影した動画を映画のような作品に整えてくれるのが電動ジンバルです。
ジンバルがあると何が良いのか、まずは動画をご覧ください。
こんな感じの手ブレの少ない動画が素人でも簡単に撮影できるのがスマホ用ジンバルの「Osmo Moible2」です。
そもそもジンバルとは
Osmo Moible2のご紹介をする前に、そもそも「ジンバル」とはなんでしょうか。日本語では「ジンバル」と呼ばれていますが、Youbueで海外の動画を見ていると「ギンバル(アクセントは頭)」と発音するようです。
ジンバル(英: Gimbal)は、1つの軸を中心として物体を回転させる回転台の一種である。軸が直交するようにジンバルを設置すると、内側のジンバルに載せられたロータの向きを常に一定に保つことができる。
例えば船舶や航空機に搭載された、ジャイロスコープ、羅針盤、焜炉、ドリンクホルダーなどが一般にジンバルを使って地平線に対して常に垂直を向くようになっている。
Source: Wikipedia(ジンバル)
船舶や航空機の技術として開発されたのがジンバルなんですね。
揺れに対して水平・垂直を保つジンバルの特性、これを活かして最近カメラやスマホの動画撮影をすることが流行ってきています。
ジンバルはスマホ動画の手ブレを防ぐ最強のツール
スマートフォンで動画を撮影する時に、こんな経験はないでしょうか。
動画の質をどこまで求めるのかということになりますが、ポジションが静止状態以外であればどの場面でもジンバルの類は必要ではないでしょうか。動画撮影に限らず、カメラ手持ちというのは基本的に不安定です。
ジンバルがなくて、手持ちの動画で満足であればジンバルは不要です。でもジンバルがあるとより見やすい動画になれるでしょう。
最近のハイスペックなスマホならカメラ自体の機能として、「手ブレ補正」機能が付いていることがあるでしょう。スマホの「手ブレ補正」機能って多少画面を切り取ります。実際のカメラの画角より動画が狭まってしまいます。
でもこの「Osmo Moible2」はスマホ自体を安定させます。動画の画角もいつも通りです。(スマホの手ブレ補正機能がある場合、オフにしてね)
スタビライザーっていうのもある
ジンバルに似ているものに、「スタビライザー」と呼ばれるツールがあります。「スタビライザー」というのはそもそも自動車や自転車など乗り物に取り付けて、不要な揺れを取り除く安定装置のことだそうです。
カメラ用のスタビライザーもあります。「スタビライザー」と検索するとよく出てくるのはこんな感じのやつです。使いこなすのが難しいみたい。
ジンバルとの違いは呼び方だけで機能は同じものだと思いますけど、電動式=ジンバルのイメージがあります、わたし的に。
DJI とは
DJI(ディー・ジェイ・アイ)は中国広東省深圳にある会社です。英語名称は、「Da-Jiang Innovations Science and Technology Co., Ltd.」。ドローン製造会社として有名で、商用ドローンの世界シェア70%~85%を占めています。
最近、MavicシリーズとしてMavic2を発売してかなり話題になっています。というか、Mavic2欲しいです…
ドローンについているカメラで安定した動画、静止画を取るために「ジンバル」が必須です。Osmoシリーズのジンバルは、この裏付けられた技術力で開発されました。
「すごい、ブレない」 DJI Osmo Mobile 2
特長
キャッチコピーは「すごい、ブレない」。そのままですけど、そんな Osmo Mobile 2の特長は次の通りです。
- 動画を演出するための機能が豊富
- アクティブトラック、モーションタイプラプスなどスマホだけでは撮影できない機能があります。撮り方次第で映画のような動画に。
- ブレのない滑らかな映像
- Osmo Mobile 2は、内蔵センサーとモーターでスマートフォンで撮ったとは思えないブレのないスムーズな映像を実現します。
- パノラマで世界を広げる
- Osmo Mobile2なら高解像度のパノラマ映像で、色あせない思い出として残すことができます。複数の映像を自動撮影、合成し、シームレスなパノラマ画像に仕上げます。
- 軽量で優れたポータビリティ
- Osmo Mobile 2は、高強度複合材の使用で、重量わずか485g。
スペック
Osmo Mobile 2 の基本的な情報です。
基本情報
サイズ | 295×113×72 mm |
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重量 | 485g |
モデル | OM170 |
近距離無線通信 | Bluetooth Low Energy 4.0 |
ジンバル
消費電力 | 1.2W(一定条件の場合) |
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操作可能範囲 | パン: ±160° チルト:±155°(横向き時) |
機械的な可動範囲 | パン:±170° ロール:-90~+70° チルト:±170° |
最大操作速度 | 120°/s |
対応しているスマートフォンの幅 | 58.6~85 mm |
対応しているスマートフォンの厚さ | ≤8.9 mm |
最大搭載重量 | 202g |
概ね、どの主要スマートフォンでも使えそうです。Xperia XA Ultraとか持ってますけど大きすぎてアウトですね。
主要のスマートフォン(iPhone, 私が使っているAndroid)
機種 | 幅 | 厚さ |
---|---|---|
iPhone XS | 70.9mm | 7.7mm |
iPhone XS MAX | 77.4mm | 7.7mm |
iPhone XR | 75.7mm | 8.3mm |
iPhone 8 | 67.3mm | 7.3mm |
iPhone 8 MAX | 78.1mm | 7.5mm |
Zenfone5 (ZE620KL) | 75.6mm | 7.7mm |
バッテリー
タイプ | 18650 LiPo |
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容量 | 2600 mAh |
電力量 | 18 Wh |
電圧 | 7.2V |
充電環境温度 | 5~40°C |
動作環境温度 | 0~40°C |
稼働時間 | 一定条件で、15時間 |
充電時間 | 一定条件で、2.5時間 |
初代との違い
軽量化されて、圧倒的にコストダウンされた
初代のOsmo Mobileは、501gでした。Osmo Mobile 2 では485gと若干軽量化されました。初代は黒を貴重にしたデザイン、2ではグレー基調になり若干安っぽい印象があります。アーム部分が金属からナイロンへ変更と素材も異なる部分があります。
でも価格差がすごい。両製品の発売時点の価格です。
- 初代 Osmo Mobile:37,800円(税込)
- Osmo Mobile 2:16,800円(税込)
現在、初代は値下げが行われていて上記の価格ではないですが、発売時点の価格としてはOsmo Mobile 2は、半額以下になりました。これが一番大きい理由で私は購入に至りました。
この価格設定は、ライバル社のZhiyun(ジウン) や Feiyu Tech(フェイユーテック)を意識してのことだと思いますが、ユーザーにとっては嬉しいですね。
スマホを縦に「ポートレートモード」
ジンバルへの物理的な設置方法として、初代はスマホを横にするだけでしたが、Osmo Mobile 2 ではスマホを縦にすることが可能なりました。
ポートレートとは一般的には「人物写真」のことを意味しますが、Osmoではスマホを縦に配置することを「ポートレートモード」と呼ぶそうです。
スマホを縦にすることで、次のような撮影が可能になると思います。
- スマホのインカメラを使ってブレなく自分撮り。
- 人物撮りにフォーカスして街歩き、SNSでライブ配信。
- 東京タワー、スカイツリーなど縦に長い被写体を下から上へ見上げちゃう。
一脚、三脚の利用が可能になり、映像の幅が広がる。
初代では酷評されていた三脚穴の問題。一般的な三脚穴は備えておらず、DJI純正の延長ロッドを必要としていました。
Osmo Mobile特有の部品穴に延長ロッドを取り付けます。悪意あるな、この設計・・・
その延長ロッドに取り付けられるDJI Osmo用の三脚。三脚はサードパーティでも行けそう。
バッテリー駆動時間がおよそ3倍、交換は不要のレベル。
初代はバッテリーの交換が可能でした。Osmo Mobile 2 では、バッテリー交換はできないものの、駆動時間が大幅にアップしました。
一般的な撮影であれば、15時間もあれば十分だと思います。足りない場合は、USBポートがあるのでモバイルバッテリーでの充電が可能です。
- Osmo Mobile 2ではバッテリーの駆動時間が3時間→15時間に大幅アップした。
- 初代:980mAh
- 2代目:2,600mAh
- バッテリーは交換できない仕様になった。
Osmo Mobile2 レビュー
外観・質感
▲ 外箱とケースです。ケーブルと説明書がないですけど、開封時の内容物は下記の通り。
- 本体
- ハードケース
- 電源ケーブル
- 説明書
▲ ハードケースはぴったり収まるのですが、このケースを外に持ち出すのは考えものです。かと言って、ケースの類がないとアーム部分がぶらぶらで取り回しが悪いです。サードパーティのケースを購入した方が良いでしょう。
▲ 三脚穴がつきました。一般的な三脚であれば取り付け可能です。これがあるのとないのでは雲泥の差。手持ちの三脚を利用できます。
▲ 正面ボタン。
- 左上:ジョイスティック
- 右上:撮影ボタン
- 中央下:電源ボタン、モード切替ボタン
ボタン3つでシンプルですけど、ちゃんと説明書なり説明用の動画なり見ておかないと使い方がよくわからないです。
▲ 本体左側(向かって右側)に本体を給電するためのUSBコネクタがあります。USB-Cではないです。
▲ 本体右側(向かっって左側)には、ズームスライダーがあります。
▲裏側に別のUSBがありますが、これはスマホを給電できるコネクタです。緊急用の充電に使えます。
▲ アーム部分。3軸ジンバルなので動きの視点が3つです。
▲ スマホを取り付けて見ました。Osmo Mobile 2 の電源を入れて、スマホ側アプリの操作をするとBluetooth経由で接続されます。
取って出しで撮影動画
マレーシアに行った時に少しジンバルを利用しました。まだ不慣れで使い方の要領を得てない感じです。
横揺れが少ないのはわかると思います。縦揺れを防ぐにはジンバルに適した忍者のような歩き方が必要だそうです。私は修行が未熟でまだ習得できていません。
映像の冒頭と最後にモーション・タイムラプスを入れています。ちょっと暗いのでノイズが結構入ってますね。
次は、ツイッター上で共有した動画。適当な動画をDJIのアプリを経由して自動生成したものです。あまり考えなくてもそれっぽいものを作ってくれます。
テキトーにosmoアプリで作った動画。とりあえずマレーシアの寄せ集めw pic.twitter.com/hieeYbljss
— チャンビア?確かSFC修行中w (@changbeer76) 2018年10月8日
最後に
サクッとメリットとデメリットを。
Osmoのジンバルは長らく購入を検討していました。でも検討していたときは3万円以上とちょっと即決できかねる値段。スマホのアクセサリーにそこまで出すのか….
約半額まで値段が落ち、購入しやすい値段になりました。出かける際に荷物が一つ増えてしまうのですが、ジンバルを持つことで動画の質は間違いなく向上すると思います。Osmo Mobile2 特有の機能を使えば、手動では撮れない動画も撮ることができます。
今度、空港とかでタイムラプスしてきます。ではでは。
Osmo Mobile2 記事一覧
Osmo Pocketが出ましたね… これはかなりの物欲をそそられます。
まぁ、Osmo Mobile 2はスマホが変わっても使えるわけだし誘惑に負けずしばらく使います。Osmo Mobile 2はPocketの価格三分の一、今持っているスマホカメラを利用できるという強みがあるわけですし。